禁煙の勧め


 喫煙は、喫煙者本人ばかりでなく、周囲の人の健康に影響を及ぼす事が知られています。私は、歯科医師としてはもちろん、ひとりの大人として、これからの社会を支えてくれる子どもたちが健やかに育って欲しいと願っています。だからこそ、受動喫煙も含めて、絶対に子どもたちには、タバコを吸わせたくはないのです。もちろん大人も吸わないで欲しいと思っています。

 

 


「タバコ」 について、もう一度、考えてみませんか?


 

あいはら歯科医院 

院長 粟飯原 靖司


日常診療に携っていますと、重度の歯周病になっている患者さんを拝見する事があります。実は、その多くが喫煙されている方です。また喫煙すると、歯や歯肉の黒ずみの原因にもなります。抜歯後の傷の治りも良くありません。口腔領域に発生するガンの一番大きな原因とも言われています。さらに周りの人の受動喫煙被害は大きな社会問題となってきています。 

 

 皆さんは、以下のような「タバコに関する現実」を知っていらっしゃいますか? 

   

① 現在、カナダやアメリカ、EU諸国では、食事をする場所では、全て禁煙です。それに比べ、日本ではお寿司屋さんのカウンターでさえ、タバコを吸う人も多く、レストラン等では、形だけの分煙という状況が多く見られます。

  

② 昨今、日本においても、あらゆる交通機関、あらゆる施設、そして敷地内での禁煙が急速に進んでおります。今後、その範囲は間違いなく拡大していきます。

  

③ ブータン王国は2004年11月17日から「禁煙国家」になりました。すなわち原則的にこの国では喫煙できません。こういう国も存在する時代なのです。

 

④ 過去にタバコの自動販売機を設置していた国々は多数ありましたが、現在、先進諸国では、日本とドイツの2国のみとなりました。他の国々では、健康被害の蔓延防止や青少年の喫煙防止を考慮した上で、殆ど撤去されました。

 

⑤ 日本のタバコによる税収は、年間約2兆円ですが、タバコによる医療費や社会的損失、火災などによる損失の総額は、年間約7兆円にものぼります。日本にとって、本当にタバコによる税収は必要なのでしょうか?

 

⑥ タバコは、確実に皆さんの健康を害します。

 現在、タバコが原因とされる死亡者数は、世界中で年間に500万人(WHOによる)以上、アメリカでは40万人以上、日本では13万人以上(喫煙者本人10万人、周りの家族等の受動喫煙者3万人)にのぼっています。八千代市の人口は19万人強ですから、一年間にざっと八千代市人口の約3分の2の人々がタバコにより亡くなっている計算になります。ちなみに、日本での交通事故での年間死亡者数は約5千人です。

 

 

【 喫煙習癖をお持ちの方へ 】

 タバコを吸っている人々を責める気はありません。やめたくても、やめられない方も多いのです。それは、ニコチン依存症という病気だからなのです。もし、あなたが禁煙したいという意志を示せば、おそらく周りの家族や友人も協力は惜しまないはずです。言葉には出さなくても、あなたの周り人達は、あなたにタバコをやめて欲しいと思った事が必ずあるはずです。それはあなたの事を大切に考えているからこそです。

 今は、タバコをやめるのにとても良い薬がある時代です。昔よりは、やめるのも簡単になりました。 

 

 

 皆さん、「タバコ」 について、もう一度、前向きに考えてみませんか?


「大人になっても、タバコは吸わない。」




子どもたちが、タバコという物をしっかりと理解した上で、「大人になっても、タバコは吸わない。」と自分の意思で決断して欲しい。 いつも私はそう願いながら、喫煙防止のお話を彼らの前で行っています。

 

 決して喫煙者やタバコ会社を敵視しているわけではありません。ただ、子どもたちには、やはり健やかに育って欲しいと思うのです。タバコは、健康と対極に位置する物だという認識は、今や世界の常識と言っても過言ではありません。大切な命さえも、日々多く失われているのが現実なのです。

 私は、歯科医師として患者さんに対しては勿論、社会に対しても「禁煙の勧め」を、広く呼びかけて行きたいと思っています。もはや自分自身のライフワークともなっています。

 

 まだ喫煙を経験していない世代に対して、「タバコに関する不都合な真実」を伝えることはとても大切だと思います。これらの内容の「講話」「講演」は、喜んでお引き受けさせて頂いております。できるだけわかりやすく楽しい時間を過ごす中で、しっかりと学べますよう工夫をこらして行います。ご要望がございましたら、あいはら歯科医院まで、ご連絡をください。できる限りの都合をつけて、対応させて頂きます。

 

【 院長あいさつ 】ページ下部の院長講演履歴・予定欄をご参照ください。